袖垣の新調(その2/2)垣根の材料

「昔に比べ材料が悪くなった」と職人さんは言います。塩ビでできた工業製品の垣根に押され、とにかく安く安くという風潮です。高い材料は売れず、価格を抑えたもので作ることになります。そうすると長持もしないという悪循環になってしまいます。

建仁寺垣なら昔は10年は保ったが、今は 7-8年もてば良い方だと聞きました。当店では15年前に中庭との境に建仁寺垣を作りました。繕いをしながら保たせていますが、この山割り(真竹を割ったもの)は伊豆半島の松崎のものでした。肉厚でまだしばらくは保ちそうなほど優れた材料でしたが、今は生産者が辞めてしまい手に入らなくなりました。

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(上)押縁に使った孟宗竹はシンコ(去年出た竹)は使わず、二年以上の古竹を選って使いました。シンコは5年もするとスカスカの紙のようになってしまいます。

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(上)時雨垣の根元には差し石を使います。

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(上)袖垣の裏側は建仁寺垣を合わせています。押縁は真竹の古い半端材を使いました。ふた月もすれば青い山割りも同色になるはずです。

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(上)建仁寺垣の山割り(縦に並んだ竹)は最近は 4.5cm 幅に機械切りしたものが主流です。昔風に 6cm 幅の割りっぱなしの物を作ってもらいました。

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(上)袖垣の止め柱には栗丸太を使いました。防腐剤を塗り、根元には銅板を巻いて虫除けとしています。

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これから年月とともに移りゆく風合いを楽しみたいと思います。